セバスチァン・ハフナー著「プロイセンの歴史 伝説からの解放」では十八世紀のプロイセンの特徴について、「シュレジエンのドイツ学者でありスラヴ学者であるアルノ・ロボスの著作『ドイツ人とスラヴ人』(一九七四年)」(P64:同書は未邦訳)から引用して、『これ以上的確に要約することはできない』(P65)と評している。 プロイセンは当時、規律、服従、軍事教練、非の打ちどころなき官僚制、忠実な貴族階級、厳格で啓蒙的で人道的な司法、差別無き理性、完璧な行政機構、禁欲を奨励し、カルヴァン派とプロテスタント派の刻印を刻んだピューリタニズム、さらにコスモポリタン的で宗派に拘泥しない自由思想的傾向において、きわだった国家であった。それぞれまったく異なる四人の君主によって作られた多様な理念の一大集合体が、王冠と領土という観念のもとに一体となって出現した。プロイセンの特徴は、民族によって結ばれた国々とは対照的に、自ら