様々な文化や事柄に興味を持って、たくさんの本を読み、知識の幅を広げる。多くの「知」の引き出しを得るための、色褪せない名著を紹介します。 多くは私が学生時代に読んだ本ですが、昨今の若者にも自信を持って薦められるものばかりです。 いったん社会人になってしまうと、直接的なメリットに繋がらない読書をする余裕は、なかなか生まれません。 新型コロナウイルスによる外出制限は、またとないチャンス。ぜひこの機会に手にとってみてください。
リレーショナルデータベースの父、エドガー・F・コッド氏が論文を発表したのは1970年。私が生まれる前の話である。そしてSQLがANSI標準になったのが1986年。RDBMSを、そしてSQLを使ったシステム開発は常に主流で在り続けたと言っても過言ではない。そんな歴史のあるSQLであるが、未だに多くの人はSQLを使いこなせて居ないように見える。 SQLはとても奥が深い。ソートやトランザクションが使用出来るおかげで、リレーショナルモデルを無視して単なるデータの入れ物として使ってもそれなりに便利だったりする。だが、それが今現在多くの悲劇を生んでいる原因でもある。多くの人が同じようにSQLを理解せず、そのため多くの人が同じ悲劇に見舞われる。そう、それがアンチパターンである! 今回紹介するSQLアンチパターンは、洋書SQL Antipatternsの邦訳版だ。私は元々英語版のファンでであり、人々が陥り
最近、代数幾何を勉強し始めた。来年出す新書の準備の一環としての勉強だ。 代数幾何というのは、多変数の多項式の解(零点)の点集合(放物線とか、円とか、球などの空間図形はその一種)の性質を分析する分野のことだ。高校で教わる「代数・幾何」を化け物のようにしたような分野だと思えばいい。(間に「・」があるかないかで雲泥の差なのだ)。 実は、ぼくは昔、数学科に在籍したときは、代数幾何が専攻だった。数論を専攻したかったのだけど、成績が悪くて希望のゼミに入れなくて、同級生の「数論をやるなら代数幾何は勉強しておいたほうがいいよ」という一言で、代数幾何のゼミに入れてもらうことにしたのだ。でも、そのゼミでは、代数幾何をほとんど勉強しないまま終わった。ゼミのときは毎週、準備してきたことが10分で先生に撃墜されて、残りの時間はずっとお説教をされていたからだ。(読者に優しい数学書を書く技術 - hiroyukikoj
今年「も」沢山のスゴ本と会えたのは、すべてあなたのおかげ。 ありがとうございます、大感謝しています。 たとえば、「この本よかった」とblogに書く すると、「ソレが良いなら、じゃぁ○○なんて、どう?」と教えてくれる じゃぁ、○○を読む なんと、す、スゲぇッ(絶叫) いそいで、「○○はスゴ本」とblogに書く ふたたび、「ソレが良いなら△△どうよ?」 このフィードバックループのおかげで、普段は読まないエリアまで手が伸びる伸びる。 もちろん嗜好の違いによる「ズレ」はあれど、それは単に「面白がって読めなかった」にすぎない。むしろ、そいつを味わうためのキャパ不足を痛感しただけでもめっけもの。その本を面白がって読むことはスキルの一つ。 気の毒なことに、「トシとると面白い本がなくなる」とグチるオッサンがいる。知見の狭さや思考の固さよりも、無自覚な様子が傍目に痛い。ああはなりたくないものだ。「ボクの範囲
今年は沢山の収穫があった。 自力で見つけた作品よりも、他力―― このblogが縁で知った本のほうが、はるかにスゴいものだった。コメントやトラックバックを通じてオススメしていただいた方、はてなの質問に回答していただいた方、わたしのエントリにケチつけたついでに「○○も読んでないくせに」と嘯いた方―― 皆さまに感謝、感謝。 そんな中でも選りすぐりを10選んだぞ。どれも自信を持ってオススメするが、「劇薬小説」だけは覚悟完了の上でどうぞ。これからも、「自分にとって高品質の情報を得るためには、自分から発信すること」を実現する場として、ここを使っていきたいですな。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 徹夜小説:あなたの健康を損なうおそれがありますので読みすぎに注意しましょう ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 大聖堂(ケン・フォレッ
使い慣れた道具の構造が分かり、より効果的に扱えるようになる。これまでヒューリスティックに馴れていた手段が、一つ一つ狙い撃ちできるようになる。こいつ片手に、そこらのラノベを魔改造したり、漱石や維新を読み直したら、さぞかし楽しかろう。 レトリックというと、言葉をねじる修飾法とか、議論に勝つ説得術といった印象がある。もちろんその通り。アリストテレスによって弁論術・詩学として集大成され、ヨーロッパで精錬された修辞学は、言語に説得効果と美的効果を与える技術体系だ。 だが、「技巧や形式に走る」といって、棄ててしまったのが現代なのだと弾劾する。ものには本名があるから、妙に飾らないで、本名で呼ぶのがいい……そんな俗物的な言語写実主義の教訓が、私たちの楽天的すぎた科学主義=合理主義=実用主義と混ぜこぜになって、言語感覚を狂わせたのだという。 できあいの言語をじゅうぶん便利なコミュニケーションの道具と信じ、形
せっかくのクリスマス・イブなので、今年自分がもらったクリスマス・プレゼントの話をひとつしますね。 ちょっと前にこんなお話がありまして、 ●文部科学省、2011年度社会教育調査の中間報告を公表 | Current Awareness Portal http://current.ndl.go.jp/en/node/22221 ●図書館の貸出数最多の5.4冊 10年度1人平均 :日本経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG31030_R31C12A0CR8000/ そのことがNHKの「NEWS WEB 24」でも取り上げられてたらしくて、その様子がこちら(2012.10.31)らしいんですが、 ●司書の目と耳 - NEWS WEB 24 を見ました http://www2.aasa.ac.jp/org/lib/j/issues_j/meto
藝人春秋 作者: 水道橋博士出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/12/06メディア: 単行本購入: 54人 クリック: 1,028回この商品を含むブログ (69件) を見る 水道橋博士著『藝人春秋』、著者から「好評すぎるので、気になるところを指摘してほしい」と言われたので、徒然に感想を書かせてもらいます。 『藝人春秋』は、水道橋博士が15人の人々の裏話を書いた本で、書名の元になった『文藝春秋』はもともと文壇のゴシップ雑誌だったから、単なるダジャレではない。 15人の内訳は、そのまんま東、石倉三郎、草野仁、古館伊知郎、三又又三、堀江貴史、湯浅卓、苫米地英人、テリー伊藤、ポール牧、甲本ヒロト、爆笑問題、稲川淳二、松本人志、北野武……って、芸人は7人しかいないじゃんか! では、この15人をくくる枠は何か、といえば、「過剰な人々」ということだろう。過剰ということでいえば、古館氏などを除
前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書) 作者:濱野 智史出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/12/07メディア: 新書 ごみくず。この本の理屈なら、長島茂雄が自分のアレで「巨人軍は永遠に不滅です」と言ったことをもとに、長島茂雄はキリストを超えたという説だって書ける。主張はすべて、かろうじて必要条件はあっても、十分条件皆無なので、信者以外には一言一句たりとも説得力ないよ。アキバ48を押し立てれば尖閣問題も竹島問題も解決だとさ。やれやれ。前著は少しいいと思ったけれど、今後ぼくはこの浜野の書いたものは目に入れないようにすることにした。本もラオスに捨ててきます。こっちの古本屋に売って純真なバックパッカーたちの精神汚染を引き起こしてはいけない。 追記 そうそう、ぼくが本書でもう一つ耐えがたかったのは、もう本を捨てちゃったので正確には覚えてないが、序文の最
ネルケ無方さんの名前をよく見かけるようになった。アマゾンを見たらけっこう本も出されている。外人さんで禅に入れ込むというのは、けっこうよくある話だからなとあまり関心ももたなかった。いや、この「外人さん」という言い方も差別的でひどもんだなとは思うが「外国人」とも違った微妙に親しみの含みがあって難しい。もう少し言うなら、日本人以上に日本を熟知する外国人が出現してきたことの含意もないわけではない。 いすれにせよ、外国人や知識人が関心をもつ禅、あるいはメディアや書籍とかで著名な禅のお坊さんの説教などは、道元を敬愛する私にしては、もうどうでもいい存在である。ところがどうも、ネルケさん、道元の徒らしい。え?と思った。いやそう思うことがまったくもって失礼な話なのだが、あの正法眼蔵の正法の禅を理解する外人さんがいるのか、いやいるのだろう、という予感がして、まず一つ、わかりやすく坐禅の話を読んでみた。 率直に
そういえばidがkdmsnrの児玉サヌールという人から「本を訳したよ!」と献本いただいたのだけど、届いた本を見てみると訳者は角 征典という人だったのでとまどっていたところ。 出版したときにいただいてたので、もう半年近くになるけど、時間がかかったのは、ちまちまと一日1ページとか2ページとか読んでたから。普通に読めば、たぶん土日で読めます。 リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice) 作者:Dustin Boswell,Trevor FoucherオライリージャパンAmazon 関係ないけど、一時期、角さん、角田さん、角谷さん、という一文字ずつ成長する東のほうの人と一気に知り合いになって「かっくん」と言われてるのがどの人かわからないことがあった。懐かしい話。 それはそれとして、ぼくは「きれいなコードをかきましょう」系の話
世の中には真の意味で、役に立たない本というものがある。あらゆる本は役に立たない、という議論もあるが、そんな深遠なことじゃなく、見た瞬間に役に立たないとわかる本、ばかばかしさやくだらなさを乗り越え、「役立たずな方向」に、全力で、一生懸命、真剣に突き進む本たちのことだ。最近なら『醤油鯛』もすばらしいが、ここにまた一冊、そんな愛すべき本が誕生した。 試験に出ないのである。しかも「出ない順」である。 ちなみに最初の単語、すなわちもっとも出ない単語はsalmon carpaccioである。carpaccioって英語か、というツッコミは脇に置き、例文は下記だ。 Bob laughed so hard that the salmon carpaccio came out of his nose. ボブは笑い過ぎてサーモンカルパッチョが鼻から出ました。 皆さん、大事ですから暗記して下さい。 対象は大学受験
ピース又吉さんと言えば、アメトーークの「読書芸人」などで読書好きのイメージがあります。実際にアメトーークでの自宅の本棚紹介や古本屋さん巡り、そして「キレキレの時は本の中に入ってしまう」といったトークで笑いを生んでいましたが、実際に視聴者としても「この人は本が好きなんだな」と強く感じました。そんな、又吉さんが自身の著書「第2図書係補佐」という本を紹介する本の中で、お勧めの本を紹介していました。今回は、その中から一部を紹介してみょうと思います。第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)posted with ヨメレバ又吉 直樹 幻冬舎 2011-11-23 Amazon楽天ブックス図書館 ●読書大好き芸人ピース又吉がお勧めするスゴ本12選。 1.尾崎放哉全句集尾崎放哉全句集 (ちくま文庫)posted with ヨメレバ尾崎 放哉 筑摩書房 2008-02-06 Amazon楽天ブックス図書館
対決したのは、杉江松恋と米光一成。 「この人が薦めるものは信用できる」と、ファンを強く惹きつけるブックレビュワーが、書評をライブでやっている! 今回の対決には、「伝説の第0回」があった。8月に同じ本屋B&Bで杉江がトークをした 「この夏読むべきミステリーBEST20」である。米光は聞き手に投入され、無邪気な発言で笑いを呼んでいた。 最後に米光は「ぼくもおすすめの本持ってきたー」と、五十嵐大介『海獣の子供』、『英語で読む銀河鉄道の夜』、写真集『funktion』を出し、「今度は対決にしましょうよ」と言った。 雨の日に軒先を借りた猫がそのまま家にあがりこむようにするりと、米光は杉江イベントの場に入り込んだのだった。 それでは、第1回対決、テーマ徹夜本で、二人が選んだものを発表! ばーん! 米光一成のセレクト。 ジョージ・R・R・マーティン『七王国の王座〔改訂新版〕』(炎と氷の歌シリーズ) マル
最近買った新しい市場のつくりかたという本の感想文。 足で書いた本は面白い 今までになかった新しい商品を販売することで成功した人たちを訪ね歩いて、成功の理由、あるいは新しい商品を発送する原理のようなものを導こうとした本。いろいろ参考になった これは「足で書かれた本だ」という印象を持った。理念ではなく、具体を重ねて論に到達するような本。こうした書かれかたをした本は、読むといろんな発想が広がる。同じ具体例を作者と共有しつつ、作者とは異なった理念の衝突が楽しかったりもする 「足で書かれた本」とは逆に、理念先行、論が理念を補強する「頭で書かれた本」というものもある。頭で書かれた本で描かれる理念は整合がとれていて、読んで「ははぁ」と頷く部分も多いのだけれど、発想はそこで閉じてしまうことも多い 個人的にはたとえば、佐々淳行の危機管理に関する本は、「頭で書かれた本」であるように思う。佐々の危機管理に関する
モダンファートというサイトで死生観について語ったインタビューが公開されているのですが、 ・modern fart | 「何歳まで生きますか?」phaさんに聞く【前編】 ・modern fart | 「何歳まで生きますか?」phaさんに聞く【後編】 その中でも「人間臨終図巻」について言及しているように昔から死に関する本を読むのが好きだったので、この機会に好きな本を紹介してみようと思います。 カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」 わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) 作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/08/22メディア: 文庫購入: 32人 クリック: 197回この商品を含むブログ (310件) を見る 抑制の効いた繊細な筆致で、ある学園で暮らす少年少女の日常風景や些細な出来事、恋愛をしたり友達と仲違いをしたり将来に夢を持ったりという、感
インフラ系のエンジニアは、あまりリファクタリングとかクラス構造といった視点でコードを読む機会が少なくて、勢い作ったスクリプトやツールはそれはそれはひどいものになりがちです(体験談)。 僕もエンジニアになって以来、まともなコードなんか書いたことなくて、従ってる原則といえば、「グローバル変数は悪」とか「短いことはいいことだ」とか「コメントは書かない方がいい」とか、なんか学生の時にたまたま目にしたよくわからない何かに従ってる程度。 少し大きい規模を書き始めると、昨日の自分と今日の自分で命名規則が全然一貫性なくて、「getHoge()」と「makeFuga()」がおんなじようなことをやってたりしていつも嫌悪感に駆られてました。 ちょうど 1000 行くらいのアプリ書いてたところだったので毎日吐き気をこらえながら「まずは動くものをつくるんだ。全てはそれからだ」と言い聞かせて汚いコードをゲロゲロしてた
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