1985年に書き下ろされた青少年向け文庫小説『ぼくらの七日間戦争』は、もう読みましたか? 1988年には、宮沢りえの主演第1作として映画化もされ、大きな話題を呼びました。 原作が出版された 1985年と現代の子どもを取り巻く環境を比較してみると、類似点や相違点がいろいろと見えてきます。そして、1985年当時よりも今の方が、子どもはもちろん大人にも、多くの教訓が含まれているように感じられると思います。 * * * 全共闘世代として学生運動(東大安田講堂事件)に関わった両親の影響を受けた中1の相原徹少年が、級友の菊地英治少年とともにクラスの男女全員を誘って「解放区」と銘打った工場の廃屋に立てこもり、私利私欲や建前や管理ばかりを重んじる体制側(教師や親)と7日間にわたって対峙する様子を熱く書き上げた小説です。 初出版から30年以上経ちしましたが、その内容は今も色あせることなく、何度読んでもその面