都内の私立幼稚園で今月、来年4月の入園の願書受け付けが一斉に始まった。少子化で幼稚園の定員は余っているのに、一部の園では徹夜の行列ができた。なぜなのか。■受け付け、「早い者勝ち」の園 1日午前4時すぎ、大田区の私立幼稚園。園庭には30人余りが待っていた。入園を希望する保護者たちだ。園側が用意した屋根型のテントが張られているが、全員は入りきらない。ダウンジャケットなど防寒具を着込み、寝袋を用意する人も。小雨が降る中、夜明けを迎えた。願書の受け付け開始は午前10時だ。 この幼稚園は預かり保育を実施することで人気が高い。願書を出した順に面接が始まり、その場で合否が決まる。事実上、早い者勝ちのため行列になる。 行列の先頭付近にいた30代の男性は前日の午後6時すぎから並んだ。「会社帰りにのぞいたらすでに何人かいたので、そのまま並んだ。へとへとだが、これで3年間が決まるので仕方ない」 都私立幼稚園連合