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ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (7)

  • 【翻訳希望!】『資本主義の倫理学』 - 道徳的動物日記

    The Ethics of Capitalism: An Introduction (English Edition) 作者:Halliday, Daniel,Thrasher, John Oxford University Press Amazon さきほどの記事で書いたように、この4月は引越しに伴う作業と会社の仕事とでなかなか読書・執筆の時間が取れなかった。……とはいえ、そんななかで日々の楽しみを提供してくれたのが、The Ethics of Capitalism : An Introduction (『資主義の倫理学:入門』)。 出勤前や会社の仕事が終わった後などに時間を見て1章ずつ読んでおり、まだ11章と12章も読んでいないのだけれど、どの章も議論の内容が実に明晰に整理されていて、読むたびに思考や気持ちがスッと落ち着いていった。常々思うのだが、良質な哲学書や入門書・解説書って鎮静

    【翻訳希望!】『資本主義の倫理学』 - 道徳的動物日記
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    kananote 2023/04/30
  • 能力のある人は、他の人よりも恵まれた暮らしに「値する」のか?(読書メモ:『政治哲学への招待』①) - 道徳的動物日記

    政治哲学への招待―自由や平等のいったい何が問題なのか? 作者:アダム・スウィフト 風行社 Amazon ●格差原理と、不平等の正当化 分配の正義に関する論争において、最大の注目を集めたのは、最後の原理ーーすなわち、格差原理ーーである。不平等は、どのようにして、もっとも恵まれない人の地位を、最大限良くすることに役立ちうるのだろうか。それを理解するわかりやすい方法は、すべての人に同じものを支払うことではないだろうか。ロールズの考えは、もし人々が、実益をもたらすような諸活動において働くよう動機づけられるべきだとすれば、彼らにはインセンティヴが必要かもしれないというお馴染みのものである。そして、議論は次のように進行する。もし経済が、そうでありうるのと同程度に生産的であろうとするならば、何らかの不平等が必要(社会学者は「機能的に」と言うかもしれない)である。不平等がなければ、人々はある仕事を別の仕事

    能力のある人は、他の人よりも恵まれた暮らしに「値する」のか?(読書メモ:『政治哲学への招待』①) - 道徳的動物日記
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    kananote 2022/10/06
  • 読書メモ:『<効果的な利他主義>宣言!:慈善活動への科学的アプローチ』 - 道徳的動物日記

    〈効果的な利他主義〉宣言! ――慈善活動への科学的アプローチ 作者:ウィリアム・マッカスキル 発売日: 2018/11/02 メディア: 単行 このについてはこちらの記事でも紹介した。 davitrice.hatenadiary.jp また、「効果的な利他主義」の考え方そのものについては、今後に某社から公開される原稿でも取り上げる予定なので、こっちでは取り上げない。 もちろん、効果的な利他主義には賛否両論がある。 …(中略)…また、効果的な利他主義は貧困の根原因(教育の不足、政府の腐敗、圧政、戦争など)ではなく貧困の症状(健康障害など)に着目しすぎているという批判もある。彼らは貧困の根原因に対処するには制度的な変革が必要だと主張している。 …(中略)… 貧困の根原因に目を向けるべきだという意見に関しては、貧困の根原因などわからない、というのが私の答えだ。20世紀、韓国台湾など

    読書メモ:『<効果的な利他主義>宣言!:慈善活動への科学的アプローチ』 - 道徳的動物日記
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    kananote 2020/12/09
  • ひとこと感想:『格差は心を壊す:比較という呪縛』 - 道徳的動物日記

    格差は心を壊す 比較という呪縛 作者:リチャード ウィルキンソン,ケイト ピケット 発売日: 2020/04/03 メディア: Kindle版 タイトル通り、経済の格差がわたしたちの心や健康にもたらす悪影響について論じて、経済格差が広がると社会的分断も広まって政治にも文化にも悪影響が生じて自然環境も悪くなって…と、とにかく「格差」がもたらす悪影響をひたすら羅列した。 外国のこのテのではたまにあるスタイルなのだが、2ページに1個か2個かの割合で、なんらかの研究結果が紹介される。だから情報量はすごくて贅沢なではあるのだが、羅列感が強くなり、読み物としては単調でちょっと面白くない。わたしが以前から「経済格差の悪影響」に興味を持っていてそれに関するをいくつか読んできたために、「知ってるよ」という情報が大半であったこともマイナスだ。能力主義の幻想とか「人間は利己的である」という幻想に対して反

    ひとこと感想:『格差は心を壊す:比較という呪縛』 - 道徳的動物日記
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    kananote 2020/07/12
  • Google社員の「反多様性メモ」の内容は間違っていたのか? - 道徳的動物日記

    jp.reuters.com www.bbc.com やや時機を逸している感はあるが、今更ながら、Google社員のジェームス・ダモアが社内文書にて男女の生物学的性差などを論じながらGoogleの多様性制度を批判したために解雇されてしまった事件について、軽く英語記事を紹介してみようと思う。 www.nydailynews.com まず紹介したいのは、倫理学者のピーター・シンガーが8月10日に発表した「なぜGoogleは間違っているか:ジェームス・ダモアが社内文書のために解雇されたことは正当なのか?」という記事。 ダモアの文書についてのシンガーは以下のようにまとめている: ・まず、ダモアの文書は「一部の種類のジェンダー・ステレオタイプには、その根拠となる理由が実際に存在する」ということを論じている。具体的には、男性と女性とを比較すると女性の方には「他人に対して関心を抱きやすい」「分析を行った

    Google社員の「反多様性メモ」の内容は間違っていたのか? - 道徳的動物日記
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    kananote 2017/08/26
  • 人文学は何の役に立つのか? - 道徳的動物日記

    (2020/12/10 追記) この記事で行なった議論を大幅に改訂したものを、晶文社スクラップ・ブックの連載で発表した。どちらかといえば、この記事ではなくそっちを参照してほしい。 s-scrap.com 近年、「学問は役に立つのか?」「人文学を学ぶ意味はあるのか?」「利益を上げない学問に税金を投入する意味はあるのか?」みたいなことが言われることが多くなっているような気がする。大体の場合、やり玉に挙げられるのは人文学や文系の科目全般だったりする。 私は学生時代に人文系の学問を専攻していたし家族にも人文系の大学教授がいるのでわかるのだが、人文系の大学教授の大半は、「人文学は役に立つのか?」あるいは「お前のやっている学問は何かの役に立つのか?」ということを問われると憮然としたり心外だと言わんばかりに憤ったりする。それで「役に立つかどうかという理由で学問をやっている訳ではない」「何かの役に立つから

    人文学は何の役に立つのか? - 道徳的動物日記
  • 「私たちは道徳的に賢くなっているのか?:IQの上昇、暴力の減少、経済的リベラリズムの関係」 by マイケル・シャーマー - 道徳的動物日記

    reason.com 今回紹介するのは、心理学者で疑似科学批判者で無神論者のマイケル・シャーマー(Michael Shermer)が Reason.com というサイトに掲載した「Are We Becoming Morally Smarter?」という記事。 シャーマーは昨年に『 The Moral Arc: How Science and Reason Lead Humanity toward Truth, Justice, and Freedom (道徳の弧:科学と理性はいかにして私たちを真実と正義と自由に導くか)』というを出版している*1。副題の通り、人々が科学的・理性的な思考方法を身に付けるにつれて、他人に配慮した道徳的な思考もするようになったり、正義などの抽象的な概念を理解したり、宗教の権威を否定したり、民主主義などが普及したりして、暴力が減少してより多くの人々に権利や自由が認

    「私たちは道徳的に賢くなっているのか?:IQの上昇、暴力の減少、経済的リベラリズムの関係」 by マイケル・シャーマー - 道徳的動物日記
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