タグ

ブックマーク / ikedanobuo.livedoor.biz (7)

  • 「弱者」はなぜ救われないのか : 池田信夫 blog

    2012年08月30日19:50 カテゴリ 「弱者」はなぜ救われないのか 「弱者救済」を理由にした貸金業法の上限金利規制や総量規制によって消費者金融業は壊滅し、債務者は闇金に流れ、弱者はまったく救われなかった。書は、それを当事者(立法当時の自民党の金融調査会小委員長)が自己批判したものだ。現代ビジネスでも著者が「告白」しているが、率直にいって「今ごろ何いってるの」という印象だ。特に総量規制の弊害については、私を含めて多くの経済学者が法改正前から警告してきた。その予想どおりのことが起こっただけだ。 問題は、こんな当たり前のことがなぜ政治の世界では通らないのかということだ。著者があげている原因は、選挙とマスコミである。これも独創的な洞察とはいいがたいが、それを自覚しただけましだろう。批判する人々を「三流経済学者」などと罵倒した後藤田正純氏は、いまだに反省の色も見えない。 著者もいうように、

    「弱者」はなぜ救われないのか : 池田信夫 blog
  • 「自炊」でできる電子書籍 : 池田信夫 blog

    2010年05月19日18:09 カテゴリITメディア 「自炊」でできる電子書籍 10年ほど前、Napsterというソフトウェアが世界のレコード会社を震撼させた。CDをハードディスクにコピーして世界中に送れるP2Pソフトの先駆けだった。同じようなことが、いま書籍の世界で起きようとしている。 富士通のスキャンスナップは、100万台を超えるヒット商品となった。ある大学の授業で「この中でスキャンスナップで『自炊』している人は?」と質問したら、誰も手を挙げなかったが、半数ぐらいの学生がニヤニヤしていた。ウェブで検索すると、少年ジャンプなどは毎号、丸ごとzipファイルになって流通している。大学のLANでもこの種のファイルが大量に流通しているようだ。 もちろんスキャンスナップ自体は違法ではない。自分の買ったマンガを裁断してスキャンする「自炊」も合法である。会社の資料や自宅のをスキャンして紙を捨てれば

    「自炊」でできる電子書籍 : 池田信夫 blog
  • 電書協の錯覚 : 池田信夫 blog

    2010年05月08日22:46 カテゴリIT経済 電書協の錯覚 ロイターの記事で、電書協(日電子書籍出版社協会)の細島事務局長がiPadについて「紙との共存ができるなら協力するが、紙の出版を維持できないなら協力はできない。こちらがコンテンツを出さなければ向こうも(電子書籍端末を)出すことはできない」とコメントしたことが話題を呼んでいる。この発想は今週の記事で紹介した電波行政と、滅びゆく業界の既得権(サンクコスト)を守る点で共通している。 そういう行動は合理的ではなく、契約理論では、サンクコストを無視して(合理的な)再交渉を行うことをいかに防ぐかというメカニズム・デザインが論じられる。しかし再交渉を繰り返すと悪い評判が立って業績が落ちるので、評判を守るためには互いのサンクコストを守って長期的関係を維持する必要がある。長期的関係が続いている限り、官僚が業者の既得権を守れば天下りでき、出版社

    電書協の錯覚 : 池田信夫 blog
  • イノベーションとは何ではないか : 池田信夫 blog

    2010年03月20日18:50 カテゴリ経済 イノベーションとは何ではないか アゴラ連続セミナーの4・5月のテーマは「イノベーション」。今さらという人もいるかもしれないが、18日に出た日経団連の提言を読むと、まず「イノベーションとは何ではないか」を経営者や官僚に理解してもらうだけでも意味があるような気がする。 経団連は、政府が「イノベーション・ハブ」をつくって技術革新を推進し、「知的財産保護を強化」するよう求めているが、こういう官民の合意によってイノベーションが生まれることはありえない。経営者はイノベーションを、マーケティング調査→社内のコンセンサス→技術開発→製造・販売という単線的なサイクルで考えるが、それは神話だと書は断定する。 たとえば、かつて洗剤の史上最大のヒット商品となった花王の「アタック」は、小型の洗剤が売れるというマーケティングによって開発された製品ではなかった。当初

    イノベーションとは何ではないか : 池田信夫 blog
  • イノベーションは「いじくり回し」である : 池田信夫 blog

    2010年01月11日00:43 カテゴリ経済 イノベーションは「いじくり回し」である 日でも大ベストセラーになった『ブラック・スワン』に続いて、今年中に出るといわれるタレブの新著、"Tinkering"の草稿の一部が、彼のツイッターで公開された。ランダムなメモなので非常に読みにくいが、私が解読した範囲で簡単に紹介しておこう(日を追って逆順に書かれているので、最後から読んだほうがわかりやすい)。 書のテーマはイノベーションで、タレブはそれをtinkering(いじくり回し)と呼ぶ。イノベーションは、科学的発見に似ている(これは当ブログでも論じた)。それは論理実証主義の考えるような「帰納→理論→演繹」といった機械的な手続きで行なわれるのではなく、科学者の発見した仮説を検証(反証)するものだ。では、その仮説はどうやって発見されるのか。そこには論理はないのか――これは分析哲学の最大の難問であ

    イノベーションは「いじくり回し」である : 池田信夫 blog
  • BPOのレポートがおもしろい : 池田信夫 blog

    2009年11月19日01:51 カテゴリメディア BPOのレポートがおもしろい きのう取材に来た、あるプロダクションのディレクター(兼カメラマン)が、「BPOのレポートが業界で話題になっている」というので、17日にBPO(放送倫理検証委員会)が出した「最近のテレビ・バラエティー番組に関する意見」を見てみた。確かにおもしろい。マンガ入りで文体も型破りで、こんな調子だ。これだけガンバってきたバラエティだが、最近の話になるにつれ、関係者の口調はだんだん愚痴っぽくなる。 曰く、バラエティはあらゆることをやりつくし、いまや何をやっても既視感がつきまとう。曰く、タレントとその予備軍は相変わらず少なくないが、突出したカリスマ的才能、ビッグな芸人が少なくなった。曰く、放送界にコンプライアンスを矮小化した事なかれ主義、サラリーマン的保身がはびこって、ムチャなこともできなくなった。曰く、バラエティの制作者も

    BPOのレポートがおもしろい : 池田信夫 blog
  • 非破壊的創造 : 池田信夫 blog

    2009年10月29日01:41 カテゴリIT 非破壊的創造 イノベーションといえば「創造的破壊」というのが、シュンペーター以来の定番だが、これはいささか誤解をまねく言葉だ。ベンチャー企業を調査したBhideによれば、大成功したベンチャーは、多くの場合まったく新しいブルーオーシャンを開拓した企業で、既存の企業と闘って倒したようにみえるのは、その結果にすぎない。 たとえばPCの登場によってメインフレームは没落したと思われているが、その売り上げは1982年の160億ドルが1997年に162億ドルになっており、絶対的には縮小していない。変化したのはそのシェアで、コンピュータ業界全体の42%から9%に下がった。しかもIBMは、当初はPCをメインフレームの代替財とは考えなかったので、独立ビジネスユニットで自由に開発させた。 1981年にできたIBM-PCは、その段階ではメインフレームと競合しない「お

    非破壊的創造 : 池田信夫 blog
  • 1