『渇き。』はちょっとわかりにくい映画だ。『渇き。』の物語のポイントは、加奈子の「やらかし」によって人々の利害関係が崩れてしまい、その混乱に父親の藤島が巻き込まれるという点だ。映画版『渇き。』は藤島が父親として娘の不始末をつけようとする物語で、原作版『果てしなき渇き』は藤島が娘から間接的に罰を受ける物語だ。 ところが映画版『渇き。』は物語の背景となる利害関係を勢いで描いているので、観客には物語が届きにくい。 せっかくなので俺が『渇き。』を観た人が引っかかりそうな疑問点の回答を書く。 以下ネタバレ!! こんな事件って実際にありえるの?元ネタとなった事件が二つあります。しかも両方とも逮捕までいってません。俺の推測なので本当に元ネタなのかどうかはわかりませんが。 一つは八王子スーパー強盗殺人事件です。銃殺の手口が鮮やかなことから銃の扱いに手だれな人物が犯人だと見られていますが、犯人の実像はつかめて