【神庭亮介】時代に背を向け、聴き手を挑発し続けてきた異端の歌手、三上寛が最新作の題材に選んだのは、いかにも現代的なツイッターとフェイスブック。一体、なぜ? 過激な放送禁止歌で名をはせた1970年代からの進化の軌跡をたどりつつ、アルバム「ブログ ツィート フェイスブック」へ込めた思いを聞いた。 ――71年に岐阜県の椛の湖畔で開催されたフォークフェスティバル「中津川フォークジャンボリー」に出演し、一躍存在を知られるようになりました。 すごい盛り上がりだったね。観客が2万人ぐらいかな。しかも、一切メディアを通さず口コミでやった。どうやってみんな集まったのか、不思議ですよ。 ――飛び入り参加のような形だったのですか。 そうそう。当時、新宿ゴールデン街でバーテンをしていて。そこに来ていたプロデューサーから「明日、中津川でイベントがあるけど行くか?」と聞かれて、「じゃあ行きます」と。バイト終わりにギタ