冊架図、六曲屏風(部分)、紙に彩色、各133X53.5センチ、18世紀後半、サムスン美術館リウム所蔵。(写真=芸術の殿堂・書道博物館) フランス人類学者シャルル・ヴァラ(Charles Varat)が1888年朝鮮民俗品を求めて八道を周遊し、慶尚道密陽(キョンサンド・ミリャン)で小さな文字図屏風を一つ購入した。その日の夜、客使のみすぼらしい部屋に華やぎを添えた屏風に感嘆したヴァラは最初の朝鮮民画評文を書いた。「小品ではあるが、諸般要素が朝鮮人の国家芸術の根本に関する大切な情報なので価値がある。私は『朝鮮人のような野蛮人はいない』と言った某氏の愚かな考えを大いに笑い、深い眠りに入った」。 それから50余年後、日本の民芸研究者である柳宗悦は「朝鮮民画は現代美学理論では解釈できない不思議な美の世界を持っている」と感嘆した。中国にも日本にもない朝鮮の文字図・冊巨里は宮中から始まったものだが、次第に