トヨタ自動車労組執行部が提出した19春闘妥結案について、評議会(3月28日)で、反対1、保留1が出た。評議会はほとんどが満場一致だが、反対が出るのは極めて異例だ。 トヨタ労組が今春闘で要求したのは、定期昇給などを含めた総額1万2千円。昨年、会社側はベア額を公表しなかったが、今年は組合側がベア要求額を明らかにしなかった。 回答は、昨年より千円低い1万700円。年間6・7カ月を要求した一時金については、夏だけの120万円で、冬は秋の労使協議会であらためて議論するというものだった。長年、満額回答が当たり前だったトヨタの一時金回答方式が崩れた。 ●「生きるか死ぬか」 トヨタの春闘が異例、異常な事態になったのは、第3回労使協議会(3月6日)での豊田章男社長の一喝だった。 「今回ほど、ものすごく距離感を感じたことはない。こんなに噛(か)み合ってないのか。(トヨタの)生きるか死ぬかの状況がわかっていない