〔問い〕 「たった三つしかない」の「たった」という語の品詞についておたずねします。学校文法などでは連体詞とされているようですが、「岩波国語辞典第二版」「新明解国語辞典」などの辞書類はほとんど副詞として扱っています。これはどう考えればいいでしょうか。また、この種のことばは、ほかにもあるのでしょうか。(岐阜市長良養老町 伊藤昭樹) 〔答え〕 ご質問にある、副詞・連体詞という二つの品詞は、用言のように活用するとか、体言のように格助詞をつける(曲用する)といった形態論的な特徽がなく、主として構文論に関係する品詞です。その構文の研究がまだあまり進んでいないために、この両品詞の性格づけについても、まだ多くの人を納得させるほど有力な説はありません。「たった」もその例と言えます。そこでこの欄のお答えも、どちらかに結論を出そうと努めるというよりは、問題点を提示していくという形になることをはじめにおこと