「アイドルは要求する」で、私の「蚊界のアイドル」ぶりを書いたところ、「体温が高いからではないか」という予想と指摘を何件かいただいた。また「自分の配偶者も(あるいはこどもたちが)たいそう蚊に好かれている」という情報もいただき、アイドル人口とライバルの意外な多さも知った。 体温に関しては、私の腋下での体温計測数値は、そんなにいうほど高いわけではない。低温期と高温期とで若干の差はあるものの、だいたい三十五度台後半から三十六度台半ばくらいで推移する。 体温計で計測できる数値としてはだいたいその程度でも、自分の体の特定の部位から、独特の熱気のようなものが放出されている自覚はある。その放出は、湯気にも似てはいるものの、見た目に分かるほどの水蒸気は伴っておらず、けれど、ゆらり、と空気の揺れが見えるような、少なくともそこに手をかざすと、もわああっとしたなんらかのエネルギーの流動を感じるものだ。その部位の外