上皇さまは23日、90歳の卒寿の誕生日を迎えられた。お住まいの赤坂御用地にある仙洞(せんとう)御所や、皇居内の生物学研究所でハゼのご研究を継続。過去に執筆した論文の再検証に意欲的に取り組まれている。今年は新型コロナウイルス禍が落ち着きを見せ始め、上皇后さまとともに展覧会などに外出される機会もあった。 「今日は、何をしますか」。週2回、生物学研究所に通われている上皇さま。宮内庁の林公義・上皇職御用掛によると、到着するとすぐに、その日のスケジュールを尋ねられる。自ら顕微鏡で標本を観察し、ソファから立ち上がってモニターの画面を指さし、意見を述べられることも。林氏は「今も、現役の研究者として意欲を持ち続けられている」と話す。 上皇さまは現在、職員や他の研究者と2つのテーマで研究を進められている。チチブ類と呼ばれるハゼの研究では、フィールド調査を行うことなどをご提案。また、昭和55年に論文化した「日