「松本さん、この間の件だけど、私も主人からショケンシと聞いたし、主人の同級生 だった人にも聞いてみたけど、ショケンシだそうよ」 用件を簡潔にさらっと話す声は宮本アサ子さんだった。(1/16 21:00) 実は、佐野眞一さんの著書「宮本常一が見た日本」の中の、「世間師」の読み方に ついて、宮本常一さんの生家がある長崎地区および、生前に宮本常一さんがどのよう な呼び方をしていたのかを問い合わせていた。アサコさんからの電話はその返事だっ た。 「世間師」とは、宮本常一さんが書いた「東和町誌」では「旅から旅をわたりある く人たちを世間師といった」と説明してある。この部分を引用した佐野眞一さんは著 書の中で「しょけんし」とルビを打っていた。 この件について、離島センターの鈴木勇次さんから問い合わせが入ったのは、昨年 十二月初めの頃だった。 ―――――――― 「佐野先生の山口