自慢の母だったんです。 父は私が幼い頃病死。そこから女手ひとつで育ててくれた。 1人でお店をはじめ成功させた。「みんな店長の人柄に魅かれてこのお店に集まってくるのよ」とお客さんにも褒められた。 60代後半に見えないくらい若いし、同年代の人と比べても柔軟な頭を持ってる方だと思ってた。 だから、その分ショックが大きかった。 「肉屋と鞄屋の人とは結婚して欲しくないなあ。 そういう人たちは昔「えったもん」と言われててね。 そんな人達と結婚したらあなた自身だけでなく子供、孫までかわいそう…」 買い物帰りの車中の会話。 今時こんな時代錯誤な思考をする人がいるとは しかもそれが自分の親。尊敬していた私の母。 結婚をする予定は今のところ全然ないしお肉屋さんや鞄屋さんの知り合いもいない。 なんとなく世間話ついでにポロっと喋った程度の会話。 その場では「その考えあんまり好きじゃない…」と濁らせたが、いつかハッ
Author:内藤陽介 Yosuke NAITO 1967年、東京都生。東京大学文学部卒業。郵便学者。日本文芸家協会会員。 切手等の郵便資料から国家や地域のあり方を読み解く「郵便学」を提唱し研究・著作活動を続けている。 主な著書 『今日も世界は迷走中』(ワニブックス) 『なぜレジ袋は「有料化」されたのか』(渡瀬裕哉氏との共著、総合教育出版) 『現代日中関係史』 (日本郵趣出版、全2巻) 『本当は恐ろしい! こわい切手』(ビジネス社) 『アフガニスタン現代史』 (えにし書房) 『誰もが知りたいQアノンの正体(みんな大好き陰謀論Ⅱ)』 (ビジネス社) 『切手でたどる郵便創業150年の歴史』(日本郵趣出版、全3巻) 『世界はいつでも不安定』 (ワニブックス) 『日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史』(扶桑社) 『みんな大好き陰謀論』 (ビジネス社) 『日韓基本条約』(えにし書房) 『(改訂
午後1時ごろ、入院している父を見舞いに行こうと駅に向かっていたら、アフガンのジャーナリストから携帯に電話が入った。 「常岡さんが解放された」との情報が現地で流れているが、日本大使館はノーコメントを繰り返しているとのこと。 直後、在京テレビ局の友人から電話がかかってきた。「日曜だというのに、外務省のテロ対策関係の職員がみな出てきている、何かあったに違いない」という。 各所に電話をしまくるが、確認できない。 長崎の常岡さんのお母さんに電話して「外務省から浩介の身柄を保護したとの連絡が入っています」と聞き、はじめて確認できた。お母さんによれば、電話が入ったのは朝3時ごろで、浩介さんとも直接に話したという。 この5ヶ月を越す日々、親御さんとしては、どんなに心配だったろう。本当におめでとうございますとお祝いをのべた。 《【カブール共同】アフガニスタンで行方不明になり、アフガン治安当局が反政府武装勢力
「之」「乃」という書き方もありますけどね。大阪の「なかのしま」は「中之島」ですし。 「山手線」を「やまのてせん」と読むように、元々これらの「ノ」は書かなかったんです。地名は古い日本語で先に「発音」だけ出来て、後で中国から来た漢字を無理やり当てはめましたので、江島・沖島で「えのしま」「おきのしま」と読んだんです。 ですが、日本語にも語彙が豊富になったり、中国から色々な事物が入ってきたりして「江島」「沖島」を「えじま」「おきしま」と読むような場合が出来てきたんで、これらを区別するために「江の島」「沖ノ島」などと書くようになったんですね。ですのでこの「の」「ノ」は厳密な意味の「かな」ではなく、どっちかと言うと漢文の「レ点」に近い役割の文字なんです(なのでたまに小さく書いたりしますよね)。 こういう「読みやすいように発音記号的に書きだしたカナのある地名」というのは、「ノ」以外にも探せば幾つかありま
ロンドンの書店を久々に巡ってみた。その居心地のなんとよいことか。落ち着いた佇まいと清々しい書籍の配列。そして何より、刊行後はるかに時が経った本もちゃんと書棚に並んでいる。新聞の書評欄に取りあげられる頃には早々と返本してしまうニューヨークや東京の書店とは随分と趣きが異なっている。 そう感じ入って帰国してみたら「国際政治を身近に知るための新書を5冊ほど読書案内風に取りあげてほしい」という求めが雑誌社から舞い込んでいた。読者がすぐ見つけることができる本をと考えて数軒の書店を歩いてみた。だが若い方々に心から薦めたいと思う新書がなかなか見つからない。新書市場には日々膨大な新刊が供給されているというのに―。 しかし、絶望するのはまだ早い。多くの読者に読み継がれてきた新書が平積みにされているではないか。「国際政治―恐怖と希望」(高坂正尭著)。「荘子」(福永光司著)「アーロン収容所―西欧ヒューマニズムの限
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