■水損の植物標本復活 東日本大震災で津波の被害を受けた、岩手県の陸前高田市立博物館の植物標本が、倉敷市立自然史博物館で修復され、一部が公開されている。学芸員やボランティアが約1カ月かけて修復に取り組み、1世紀以上も前に採集された植物がよみがえった。公開は9月25日まで。 修復は岩手県立博物館(盛岡市)が依頼。299点の標本を預かり、自然史博物館の学芸員2人と、同館友の会のメンバーら計16人で5月から作業にあたった。狩山俊悟学芸員が「初めてのことで、マニュアルをみながら手探りで進めた」と振り返る作業は、困難の連続だったという。 津波で海水と泥にまみれた標本は、まず1点ずつ被害を確認し、冷蔵庫で仮保管。真水で洗浄して塩抜きし、筆を使って1点ずつ丁寧に泥や汚れを落としていった。その後、新聞紙に挟んで吸水、温風乾燥機で2日間かけて乾燥させ、仕上げにアルコールでカビ処理を行ったという。 火山の高地