「想像していなかったものが出て、言葉が出ないほど驚きました」。全長2メートルを超える巨大な剣に、盾の形をした異形の鏡。奈良市の富雄丸山古墳で出土した前例のない副葬品に、古墳の研究者らも驚きを隠せなかった。「被葬者を邪悪なものから守るため」「農耕儀礼に使われたのでは」。様々な仮説が飛び交う。 昨年12月、同市埋蔵文化財調査センターの村瀬陸さんは、同古墳の造り出し(突出部)で見つかった、木棺を粘土で覆った「粘土槨(かく)」と呼ばれる埋葬施設を慎重に掘り下げていた。金属探知機で事前に調べて、強い反応が出た部分があった。 「刀剣や矢じりが大量に出てくるかも」。しかし次第に姿を現したのは、人の背丈を超える長さの1本の鉄剣。しかもその下に、見たことがない形の銅板が顔をのぞかせていた。 盾形銅鏡は「国産」か? 文様が示すもの 銅板の中央には円形の銅鏡と同じ形の鈕(ちゅう)(つまみ)がある。上下に並んだ円
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