タグ

ブックマーク / ogwata.hatenadiary.org (9)

  • 大正15年の漢語整理案に障碍→障害の言い換えがあった - もじのなまえ

    ある方からのお知らせで、「 障碍→障害」の言い換えが、戦前の臨時国語審議会による「漢語整理案」にあることを知りました。 これについて調べてみました。 「漢語整理案」は官報附録雑報において、大正15年7月〜昭和3年12月の15回にわたり掲載されたものです。その目的を冒頭で以下のように言っています。 案は常用漢字の官行を円滑ならしめ、ひいては国語の健全なる発達を促さんがため、常用漢字と仮名を用いて文章を書き綴り得るよう漢語を整理したものである。(後略) 「障碍(礙)→障害」が「漢語整理案の三」(大正15年12月15日(4294号)にあります。 「漢語整理案」は後に五十音順に配列し直した資料が(図書館などで探せば)入手可能ですが、他ならぬ漢字小委員会で第17回で初出資料が配付されていました。 参考資料2 臨時国語審議会「漢字整理案」(大正15年7月〜昭和3年12月) この資料が配付されたいきさ

    大正15年の漢語整理案に障碍→障害の言い換えがあった - もじのなまえ
  • 絵文字原稿の第3回が公開 - もじのなまえ

    世間はすっかり新常用漢字表のパブリックレビューですが、絵文字原稿の3回目が公開されました。 絵文字が開いてしまった「パンドラの箱」第3回――Unicode提案の限界とメリット 文字コードに興味のある人って、たいてい文字派とコード派に分かれるんですが、今度の原稿はコード派の方にお勧めですかね。めくるめく絵文字変換サービスの世界を味わうことができます。なんったって1文字が9文字と対応するようなケースがあるんですから。いや当、携帯電話のエンジニアの方々って尊敬しちゃうますよ。これをきちんと破綻のないよう実装しているなんて普通では考えられない。 しかしKDDIの絵文字のデザインはおもしろいなあ。「KDDI/0xF3D4:白人」なんかみると、人を見下したような、とても微妙な表情がきちんと表現されている。まあ、「白人」という恐ろしくカテゴライズされた語感に忠実にあろうとしただけなのですが、ソフトバン

    絵文字原稿の第3回が公開 - もじのなまえ
  • 漢字小委員会、追加案を承認、備考欄には三部首許容を注記 - もじのなまえ

    日開催された第29回漢字小委員会で、常用漢字表の追加字種案が提案通りに承認された。これは191字を追加し、印刷標準字体を基とするもの。ただし、「曽、麺、痩」の3字について印刷標準字体ではなく簡易慣用字体で示す。ここまでは前回の提案通り。この回で新しく追加されたのは、しんにょう、偏について、表の漢字欄では印刷標準字体を掲げるが、備考欄で簡易な字体を掲げて、あわせて括弧書きで「3部首許容」と明記しているところ。 この日配布された『「追加字種・字体」について基的な考え方』では、「表の見方」として以下の文言を追加している。 5 漢字欄の*は、3部首(しんにゅう/しめすへん/しょくへん)に関わる字のうち、「辶/𩙿」の字形で通用字体を示したものである。当該の字について、現に印刷文字として「辶/飠」の字形を用いている場合は、「辶/𩙿」の字形に改める必要はない。これを「3部首許容」という。

    漢字小委員会、追加案を承認、備考欄には三部首許容を注記 - もじのなまえ
  • Googleが携帯電話の絵文字をUnicodeに提案 - もじのなまえ

    漢字小委員会の模様について、たくさんの皆さんに興味を示していただいたようでありがとうございます。つづきは時間を見て書きます。まだ皆さんにお知らせしなければならないことは残っている。 今回はまた別のお話。国際化の世界でよく知られているエンジニア、風間一洋さんのブログで「携帯の絵文字のUnicodeへの収録」というエントリが公開されました。これによると、Googleが携帯電話の絵文字をUnicodeに提案しようとしているそうです*1。 Emoji for Unicode: Open Source Data for the Encoding Proposal 非常に興味深い動きです。このエントリでは「もうすぐ日語訳(?)を公開するそうである」とされていましたが、すでに公開されています。仕事が早い。 絵文字のユニコード符号化: 符号化提案用のオープンソースデータ ご存知のように、携帯電話での絵文

    Googleが携帯電話の絵文字をUnicodeに提案 - もじのなまえ
  • 新聞各紙は審議を正しく伝えているのか? - もじのなまえ

    昨日は第21回漢字小委員会でした。霞ヶ関で傍聴して家に帰って、一晩たって朝刊を見たら、おやまあびっくり。うちは朝日なんですが、1面に「常用漢字追加素案220字」と見出しがあり、ご丁寧に「新常用漢字表(仮称)に入れる可能性のある候補漢字の素案」と題した漢字表まで入れている。あとで小熊さんのところを見て分かったんですが、朝日新聞と毎日新聞は12日の夜のうちにウェブで記事を出したようですね。 朝日新聞(2008年05月12日21時09分) 毎日新聞(2008年5月12日22時29分) ウェブの日付を信じるなら読売も「13日01時32分」。はたして朝刊に間に合ったのかどうか微妙な時間に見えますが(図書館に行けばすぐに確かめられるだろ……)、産経は「13日10時54分」、日経は「13日16時」。これらの会社は朝日と毎日に「抜かれた」ということになるのでしょうか。 ただし早ければよいというものじゃない

    新聞各紙は審議を正しく伝えているのか? - もじのなまえ
  • 今年度最後の漢字小委員会が開催 - もじのなまえ

    9日は新装なった文部科学省の庁舎で、第20回漢字小委員会が開催されました。この日の審議の大きな目玉は、上部組織である国語分科会総会に提出する『国語分科会漢字小委員会における審議について』をめぐる議論。これは今年度の審議内容をまとめた文書で、つまりこの日のテーマは今年度の総括ということです。 これについては、すでにいくつか報道されていますね。 鹿、奈、岡……常用漢字にやっと仲間入り・2010年刷新で(日経済新聞) なぜ無かった?都道府県名の11字、常用漢字に(MSN産経ニュース) いずれも2010年2月に答申を予定されている新常用漢字表(仮称)に新しく入るであろう漢字にスポットをあてた記事です。べつに内容は間違ってません。広範な読者に向けた一般紙としては耳目を集めやすい切り口を工夫するのは当然でしょう。しかし傍聴を続けてきた者としては、あまりその部分だけを取り出すのはミスリードを誘うように

    今年度最後の漢字小委員会が開催 - もじのなまえ
  • アップル、10月26日出荷の LeopardでJIS X 0213:2004対応を発表 - もじのなまえ

    10月26日夜、アップルはMac OS Xの新バージョン「Leopard」を10月26日に出荷することを発表しました。中でも注目されるのが、ブログでも再三言及してきたJIS X 0213:2004への対応。やはり噂どおりだったというわけです。 すでに製品ページがアップデートされており、この中の「日語環境」のセクションでは、以下のような文言が見られます。 また、Mac OS Xは最新のJIS規格「JIS X 0213:2004」をサポートしています。様々な人名や地名を正しい漢字で表現できるだけでなく、自分の使いたい字形にダイナミックに切り替えることもできます。 〈正しい漢字〉というと、前バージョンまでは「正しくない漢字」だったのでしょうか? たしかかつて現在のヒラギノは「2004JISに適合する」とコメントしていたように記憶します。もちろんそれはJISと整合した正しい答です。とすればこの

    アップル、10月26日出荷の LeopardでJIS X 0213:2004対応を発表 - もじのなまえ
  • 今年度の国語分科会/漢字小委員会の動き - もじのなまえ

    そろそろ動きがあるだろうな思いつつ、暑さのせいかぼんやりしていたら、やはりとっくに動き始めておりました。国語分科会/漢字小委員会のことです。去る7月25日に、今年度初めての国語分科会並びに漢字小委員会が開催されておりました。 国語分科会(第35回) 漢字小委員会(第15回) この機会にこれまでの審議の流れをまとめてみたいと思います。 すでにご存知の方も多いと思いますが、明治31(1898)年創設の国語調査会以来の伝統を誇る国語審議会は、省庁再編にともない2002年1月より文化審議会国語分科会に改称・再編されています。一般に審議会とは大臣から諮問されたテーマを審議するものですが、新装なった国語分科会に対して最初におこなわれた諮問が「これからの時代に求められる国語力について」です。このうち漢字については、前述の諮問につけられた「文部科学大臣諮問理由説明」のうち3-(2) が関係します。 (2)

    今年度の国語分科会/漢字小委員会の動き - もじのなまえ
  • 金谷治先生が亡くなった - もじのなまえ

    新聞を眺めていたら、ふと死亡欄に目が止まった。金谷治先生の名前があった。先生などと言ってみたけど面識はない。だけどそうでも言わないと落ち着かない。ご存知の方も多いだろう、中国思想史上の数多くの古典を訳された人として、つとに有名な方だ。 東北大名誉教授の金谷治さん死去 今までいったい何冊を買ったのだろう。ほとんどは1回読めば、あとは忘れるだけだ。今手元に金谷先生が訳注をほどこされた岩波文庫版「論語 (岩波文庫 青202-1)」がある。これだけはもう何回も読んでいる。たしか大学1年か2年の時に町田の有隣堂で買った。つまり1980年前後。でも残念ながら内容が身についた訳でもない。読み下し文のリズムが気持ち良いので、疲れてどうしようもないとき元気回復のために開く。だから、いつまでたっても礼も楽も身に付かない。でも「徳は孤ならず、必ず隣あり」*1 *2なんてのを見つけると、もうちょっと頑張ろうかと

    金谷治先生が亡くなった - もじのなまえ
  • 1