為替相場に連動する仕組み債などを購入して十数億円の評価損を抱え、販売した証券会社など2社に対して損害賠償請求訴訟を起こしていた兵庫県朝来(あさご)市は、最近の円安進行で評価損が減少したとして保有債券を売却する方針を固めた。 訴訟も取り下げを検討する。 同市が購入した仕組み債は、円高では低金利、ドル高では高金利などと為替相場に応じて金利が変わる。市は高い運用益を期待して、2006~08年に市の基金の中から計61億5000万円を長期の仕組み債などに投資した。 しかし、08年9月のリーマン・ショック後に円高が進んで評価額が急落し、評価損は一時15億円以上に拡大。市は昨年6月、同債などを販売した4社のうち2社を相手取り、計4億8666万円の損害賠償を求めて提訴していた。 その後、安倍政権の経済政策・アベノミクスへの期待に伴う円安で、今年4月末時点の評価損は3億3800万円に縮小。売却額に、これまで