韓流映画やK-POPが定着したいまも、韓流小説の存在は意外と日本で知られていない。いざ目を向けて見ると仰天、韓流小説では「反日」が一大ジャンルと化していた。 在韓ジャーナリストの藤原修平氏が、ベストセラー『安重根、アベを撃つ』を紹介する。 * * * 10月26日午前9時。中国・ハルビン駅1番線ホームで、日本の安培首相が北京発の高速列車を降りた直後に至近距離から狙撃された。首相は重傷を負ったが、幸いにして命を取り留めた。犯人は安重根。1909年の同じ日に伊藤博文を暗殺した、まさにその場所だった──。 今夏、韓国でベストセラーになった小説『安重根、アベを撃つ』のワンシーンだ。 安培首相という架空の人物を狙撃する設定である以上、「日本政府を侮辱しているわけではない」とでも言いたいのだろうが、表紙には、右手に拳銃を手にした安重根と安倍晋三首相にしか見えない人物が描かれている。いま韓国の書店ではど
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