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ブックマーク / blog.talktank.net (6)

  • なぜ人文・社会系博士を増やさないといけないと考えられたか、について

    "人文諸学の再興(と、多少はそこでっていけるはずの人々)のために"の続き、的な。。 もう一つ、博士号取得者を増やすという直接の動機がバイオを中心とした「実用性の 高い」分野での国際競争力を増す、ということであったのは間違いないが、決して文系諸分野では増やさなくていいということだったわけではない。 現在、社会は高度に複雑化しており、IT化などに応じて発生する様々な社会問題もある。もちろん、気候変動などの環境問題は深刻であり、これらは一義的には「科学」の問題だが、対応するためには法律や倫理、経済の問題を考慮しなくていいわけではない。要するに、様々な知識が専門化してきているわけである。 そういった中で、例えば貧困や環境に関する国家間折衝が気候変動枠組条約や生物多様性保護条約の締約国会議という形で行われ、大々的に報道される。また、貧困や格差の問題はG20やWTO閣僚級会議の際に世界中からNGO

    なぜ人文・社会系博士を増やさないといけないと考えられたか、について
    kaos2009
    kaos2009 2019/05/15
  • 国連事務総長と安部首相の会談に関する「誤報」について|天使もトラバるを恐れるところ

    産経新聞が、イタリアにおけるG7サミットに関して"国連事務総長が慰安婦の日韓合意に「賛意」「歓迎」 テロ等準備罪法案批判「国連の総意ではない」”という記事を配信している。 要するに、韓国との「慰安婦問題」合意や共謀罪に対して国連において人権上の懸念が議論されていることに対して、それらの疑念を呈している機関が例外的な対応をしているだけだと主張したいらしい。 それに対して、国連事務総長のサイトに「記者へのノート: 事務総長と日の安部首相とのミーティングに関する質問への応答として」という記事が上がっている。 この日での報道が事務総長の意図を(読解力不足ゆえか、意図的かはともかく)捻じ曲げているということに懸念を表明しているものと言える。 たいして長くもないので、以下に全文を翻訳しておく(国際政治上の定訳とかに詳しいわけではないので、間違いがあればご指摘いただきたい)。 記者へのノート: 事務

    国連事務総長と安部首相の会談に関する「誤報」について|天使もトラバるを恐れるところ
    kaos2009
    kaos2009 2017/05/29
    “国連事務総長のサイトに「記者へのノート: 事務総長と日本の安部首相とのミーティングに関する質問への応答として」という記事が上がっている。  この日本での報道が事務総長の意図を(読解力不足ゆえか、意図
  • 教育の受益者は生徒ではなく社会全体であり、給付奨学金は社会的利益のためにある (奨学金問題雑感 その1)|天使もトラバるを恐れるところ

    教育の受益者は生徒ではなく社会全体であり、給付奨学金は社会的利益のためにある (奨学金問題雑感 その1) 給付奨学金について「貧乏でも幸せはある」といっためちゃくちゃな批判も問題だが、「大学に行くことが貧困から脱出する道である」という議論をその批判に当てることも若干の問題がある。 もちろん、受け手(生徒)の利益になるようなインセンティヴがなければ中々続かないのも確かなので、大学進学の経済的メリットは考える必要があるし、あまりに不利益が大きければ大学という制度そのものが持続的ではなくなるだろう。 しかし、(過去、国際社会に教育の無償化を促された日政府が度々そう抗弁してきたように)もし教育が生徒の利益のために行われるのであれば、大学教育などは完全に営利企業の手に任せればよいだろうし、そのほうが保護産業として行うよりも高い効率を収めるかもしれない。 そうではなくて、教育は社会的な財産(それは必

    教育の受益者は生徒ではなく社会全体であり、給付奨学金は社会的利益のためにある (奨学金問題雑感 その1)|天使もトラバるを恐れるところ
  • 「菅直人を逮捕せよ!」|天使もトラバるを恐れるところ

    東日大震災当時、どのような状況だったか、当時内閣総理大臣補佐官として菅直人首相らとともに対策にあたった寺田学衆議院議員が、手記を公開している。 5年前の記憶の全て : 寺田学のオフィシャルウェブサイト これまで断片的に出ていた情報と大きな齟齬もないし、びっくりするような新事実もないと思うが、当事者から見た「現実」が時系列で繋がって、ここまでの情報量で提示されたのはありがたい。『シン・ゴジラ』がきっかけのようであるが、それだけでも「作品の力」というのを実感できるのではないか。 個別にはいろいろ考えさせられる所はあるが、気になったのは2点。まず、原子力安全委員会の班目春樹委員長の回答のまずさ(肩書は当時。以下同じ)。 いろいろな意見はあろうと思うが、「原発が爆発する可能性はないのか」という総理の質問には「ありません」と答えており、(こちらは今回の回顧録には記述がないが、報道等によれば)海水を

    「菅直人を逮捕せよ!」|天使もトラバるを恐れるところ
    kaos2009
    kaos2009 2016/09/04
    “原発事故の際に、(彼の対応がベストではなかったにせよ)これ以上の対応ができた総理大臣がそれ以前も以後もいないのではないか。 また、感情的になるタイプだからこそできたことに思えるが、法律的にはかなり危
  • 沖縄と福音派教会: あるいは「隣人を理解し、尊重することと批判的になることの両立」という問題について|天使もトラバるを恐れるところ

    「米軍属女性遺棄 悲しみに共感 教会に通う米軍人や軍属ら」(琉球新報) という記事にあるとおり、ネイバーフッドチャーチ沖縄の牧師の呼び掛けて、信徒が「沖縄とともに悲しんでいます」といったプラカードを掲げて国道に立った。 この行為について、背後にタカ派色を強める新興宗教「幸福の科学」がいるのではないかという指摘がある。一方で、それはガセネタで「集会は純粋なものだったので安心してほしい」という反論もあった。これは、両方とも「ある程度は事実で、ある程度は間違い」というべきものであろう。これはまず、アメリカのキリスト教の文脈を理解する必要がある。 まず、ネイバーフッドチャーチ沖縄は、"Assemblies Of God"(AG)というペンテコステ派系の教団に属する教会である。詳細は追って説明するが、AGはカルトというわけではなく、一般的なプロテスタント教会の一つであると考えられているが、プロテスタ

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    kaos2009
    kaos2009 2016/06/01
  • 人文学への「社会的要請」とはどんなものでありうるか?

    "国立大学人文社会科学系「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換」という話"の続き 人文学が社会の役にたつ、というのはどういうことだろうか? 教育という議論はひとまず置くとして、ここではあくまで「研究活動」に絞って、その機能につうて(相互にオーバーラップする)三つの側面に整理したい。すなわち、(1)経済的価値、(2)人権や正義、真善美に関わる価値、(3)カウンターサイエンス、である。 まず、学問には様々な分類法があるが、ここでは3種類に分類する方法を採用して、ここで議論される「人文学」とはどんなものについてであるか、明らかにしておこう。 三分類とはつまり、自然科学(Natural Science)、社会科学(Social Science)、そして人文学(Humanities)である。最後の「人文学」は他の二つに合わせて「人文科学」と訳されることもあるが、来は「科学」(Science)の

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    kaos2009 2015/06/06
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