美容液を塗った肌にポーションを吹き付けて手で押さえると、美容液を吸収しながら肌に密着し、透明な“もう1枚の皮膚”のようになる。出来あがった薄膜は美容液を長時間を保持するだけでなく、肌との段差が少ないため、凹凸のある部分の上に作ってもはがれにくいという。美容液を染みこませたシートを顔に乗せて使うフェイスパックと違い、スキンケアをしながら動き回ったり眠ったりすることが可能だ。使い終わったら、膜のある部分を少しこするだけで簡単にはがせるようになる。 花王の澤田道隆社長によれば、Fine Fiber技術はもともと、生理用品やオムツ向けの繊維開発で生まれたという。細い繊維を作る研究を進めるうちに、人間の皮膚に近い皮膜を作れるのではないかと考え、化粧品分野へ舵を切った。 開発当初は、専用機器も工場で使うような大型のものだったが、女性が自宅で使えるサイズにするため、パナソニックで美容家電などを手掛けるチ