現代に蔓延する「暇なき退屈」 この本では、「暇の中でどう生きるべきか」「退屈とどう向き合うべきか」というようなことについて書かれています。 まず前提として、混同されがちな「暇」と「退屈」を明確に区別しています。暇とは、何もすることのない、する必要のない時間であり、退屈とは、何かをしたいのにできないという感情や気分を指している、と。 その上で本書では、暇である/ない、退屈している/していない、の4項目からなる表を作成します。つまり「暇で退屈している」「暇だが退屈していない」「暇ではなく退屈もしていない」「暇ではないが退屈している」の4つです。 他の3つと違い「暇ではないが退屈している」という状態は、一見謎めいてみえます。しかし、実は現代の多くの人がこの状態を経験していると著者はいいます。 例を挙げるとすれば、仕事をしているけどなんとなく熱中できていない、という感じでしょうか……。こういわれる
![國分功一郎『暇と退屈の倫理学』を3回読んで、暇なき退屈で苦しまずに生きる方法について考えました。](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f7a259b4c5e8c7662ec66f822628bc9687796d2a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnidoneinstitute.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2020%2F11%2FIMG_3683.jpg)