「私は今、病院の外にいます。みなさんに知ってほしいことがあります。新型コロナウイルスがどれほど恐ろしいか、みなさんは理解していないと思います」 4月初め、フェイスブックに投稿された9分間の動画は、この言葉で始まる。車の中だろうか。暗闇の中、若い男性が静かにとつとつとしゃべる。投稿から1か月ほどで、再生回数は5万回を超えていた。 この男性に連絡をとってみた。ケンタッキー州のトラック運転手、ダスティン・ピットマンさん(27)。父親を新型コロナウイルスで亡くし、動画はそのとき撮影したものだという。 父親のデイビッドさんは退役軍人。62歳だった。3月下旬、ダスティンさんは体調に異変を感じたという父親を訪ねた。その時、父親は「インフルエンザだろう」と話していたという。 ただダスティンさんが連れて行った子どもたちに近づこうとしなかったという。これが、孫がおじいちゃんを見た最後となった。
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