村上定男さんが遺体で見つかった、枯れ草が覆いかぶさる側溝に、妻喜美子さんは花を手向け、静かに手を合わせた=大阪市平野区で2013年12月、竹内紀臣撮影 認知症やその疑いで行方不明となり死亡または見つからない人が2012年だけで500人を超えていたが、まだ症状が進んでいない段階でも行方不明になるケースがあることが分かった。北海道釧路地域での民間団体などによる調査では、家族が認知症の発症に気付いていなかった「発症早期段階」が約2割に上った。専門家は「ごく初期は、そばにいる人ほど変化に気付きにくく、本人にも言いにくい。少しでも異変に気づいたら周りの人に相談を」と話している。【銭場裕司】 【家族は見守れず自責の念】認知症:76歳男性、不明1年 家族「宝物失った」 ◇「ちょっと行ってくる」…9キロ離れた側溝に遺体 大阪市浪速区の村上定男さん(当時84歳)は12年1月30日夕、自宅から800メート