カウンセリングは何の役にも立たなかった 私の精神が持ちこたえたのは、高校一年二学期までだった。三学期になると、中学三年生の時のような腹部の不快感がひどくなってきた。中学の時は、まだ学校に行かなければならないという気持ちが強かった。ところが、その気持ちが起こらない。学校に行く目的がないのだから。目標が見えなくなったことは、私の気力を崩壊させた。 母親から怒鳴られても、私は学校に行けない日は丸一日家に閉じこもり、憂鬱な感情に押しつぶされそうになっていた。学校に行っても、途中で早退した。疲労困憊して机の前に座っていることもできなくなったのだ。今までの人生の疲労が一挙にきたのだろうか? とうとう1ヵ月近く、全く登校できなかった。その頃、不登校は精神の病気とされており、家族に県立精神医療センターに連れて行かれた。 矢幡洋・著『病み上がりの夜空に』 【第3回】妻の章―亜空間(その3)---私が、治療者