「ひですの経」、米で発見 江戸初期に長崎で印刷2009年9月17日16時47分 「ひですの経」の表紙。左側に「御出世以来千六百十一年」の文字 江戸時代の初期、イエズス会が長崎で印刷した「ひですの経」が米ハーバード大の図書館で見つかった。20世紀初頭にドイツの古書店の目録に掲載され存在は知られていたが、その後、行方がわからなかった。徳川幕府の弾圧下で作られて400年、流転の末にようやく内容が明らかになった。 見つけたのは日本大講師の折井善果さん。日本とスペインの交流史を専門とする折井さんは、日本関係の書籍・美術品の収集家として知られるE・G・スティルマン(1881〜1949)の蔵書を調べていて、「1611年」という古い本に気づいた。これが「ひですの経」だった。縦27.9センチ、横19.3センチで美濃紙に刷られていた。欧文書を所蔵する図書館の蔵書だったため、日本の研究者の目が届かなかったらしい