タグ

ブックマーク / mntcabe.cocolog-nifty.com (4)

  • タマゴの散歩-文字世界を巡る旅-: ビビアン・クック (2008) 『英語の書記体系』

    文字は音声言語をうつす(移す・写す)手段であるとの説明がしばしばなされる。この説明は、文字で表記された文字言語が、音声で表現された音声言語に対応するという考え方に基づいている。しかしながら、音声言語と文字言語という二項対立だけで文字言語を見ていると、実のところ文字表記の現実のあり方が見えてこないのではないかと私は感じていた。また、『言語学大辞典〈第6巻〉術語編』の「文字」(pp.1340-1344)や「文字論」(pp.1346-1348)の項目では、表音と表語の対立が議論の中心にあり、「表記そのもの」に対する議論が希薄であるように感じられていた。 それに対して書は、「表記そのもの」=「表記体系」を議論の中心に据えたである。 原著は全7章からなる。それぞれの章の文は「全体のレビュー+文+まとめ」という構成を意識して書かれている。しかも、文の内容をより深く理解するための問題が随所に設

    karpa
    karpa 2009/01/08
  • タマゴの散歩-文字世界を巡る旅-: 福島直恭 『書記言語としての「日本語」の誕生:その存在を問い直す』

    書では、口頭言語と書記言語が互いに異なる言語変種であることを 確認するところから議論が展開されるが、書で想定されている書記 言語の最終的な定義は、「音声で発せられた言語」と対立するような 「文字で書かれた言語」のことではない。 そうではなく、書は文字言語を「言語内情報完成度の高い言語変種」と 定義したうえで、それが如何にして、何のために、創りあげられていったのか ということを論じたものである。その論点を説いたものが「第6章 「日語」という イリュージョン」である。 そこでは、我々が漠然と想定してる「日語」とか「共通語」といったものが、 幻想にしか過ぎないことが主張されている。 それゆえ、書は河野六郎式の文字論(文字と言語の関係)を論じた書ではなく、 日人にとっての「日語」がどのような存在であるのかを、文字で書かれたものを 通して考察した書である。 【目次】 書をお読みにな

    karpa
    karpa 2008/12/17
    > 本書は河野六郎式の文字論(文字と言語の関係)を論じた書ではなく、 日本人にとっての「日本語」がどのような存在であるのかを、文字で書かれたものを 通して考察した書である
  • タマゴの散歩-文字世界を巡る旅-: 神野志隆光 『漢字テキストとしての古事記』

    我々が学校で習う「古事記」は漢字仮名交じり文で書かれている。だが、実際の古事記の原典は漢字仮名交じり文ではなく漢字文で表記されており、書の議論はこの当然の事実に向き合うことを基盤としている。 では、漢字テキストの古事記と対面することによって何が見えてくるのであろうか? 第一に著者は、古事記が倭語を写し取ったものではなく、漢文訓読に端を発する人工的な文体であることを指摘する。但し、古事記の文体を巡っては、書道家の石川九楊氏もすでにこれを看破していることをここで付け加えておきたい。 第二に著者は、古事記の文が漢文訓読体で書かれている一方で、古事記に収めれられている歌が音仮名で書かれおり、両者の差が古事記に複線的な記述をもたらしていることを指摘する。 書の骨格をなす認識は、ある前提を受けて古事記という漢字テキストが生成されたということではなく、古事記という漢字テキストを書くことによって作り

    karpa
    karpa 2008/03/27
  • タマゴの散歩-文字世界を巡る旅-: 円満字 二郎 『昭和を騒がせた漢字たち-当用漢字の事件簿-』 吉川弘文館

    戦後、民主化という思想のもとに日の様々な制度が改められた。その一環に漢字制限がある。それが1946年に告示された当用漢字だった。以後、当用漢字政策はいくつかの改訂を経て、最終的には1981年に告示された常用漢字に吸収されていく。この間に生じた漢字と人々の壮絶な戦いが、書で紹介されている。 当用漢字においては、漢字の字数制限や字体の統一が絶対的な基準として打ち出されたのであるが、実際の運用においてはかなり窮屈な面や不徹底な面を抱えていた。そこで生じたのが、基準に従うのか?、自由裁量が許容されるのか?、そもそも基準は誰が作るのか?、というような問いである。更に、漢字に込められた送信者や受信者の思い(これを「唯一無二」と呼ぶ)が上記の問いに絡み合い、漢字を巡って人々は紛争した。 たとえば、小学校に設置された「良い子の像」に彫られた文字を巡って学校とPTAが裁判で争った。「仲よく」の「仲」の字

    karpa
    karpa 2007/10/10
  • 1