八面六臂が手掛ける事業は、松田の言葉を借りて「鮮魚流通のアマゾン・ドット・コム」と言うのが分かりやすい。全国各地から仕入れた水産物をIT(情報技術)と物流を駆使し、顧客である飲食店に届ける。旧態依然とした鮮魚卸・流通業界に新風を吹き込んだ注目企業だ。 従来の流通経路の場合、鮮魚は漁業者から漁業協同組合、産地市場、消費地市場(東京で言えば築地市場)、納品業者を経由して、飲食店や消費者にわたる。仲介業者が多いためどうしても魚の鮮度は落ち、人件費などのコストがかさみがちだ。 それに対し、同社は、漁業者や中間流通業者から自ら鮮魚を買い付け、飲食店に販売する。漁業者のみならず、漁協や産地市場などとも提携しているのが、一般的な産地直送モデルにはない特徴だ。 中間業者を排した産地直送モデルでは漁獲量の変動によって品薄・価格高騰などの影響を受けやすい。その点、複数のルートを確保しておけば多種多様な品