昨年6月に倒産した京都市右京区の「大美堂印刷社」(破産手続き中)で、失業中の生活費用の補助を求めて約9カ月間、「籠城(ろうじょう)」を続けていた元社員24人が、今月下旬に退去することを決めた。破産管財人側から「社屋管理費」として1人当たり数十万円が支払われる見込みになり、社員らは「労働者を一方的に切り捨てる風潮に一石を投じられた」としている。 大美堂は資金繰りに行き詰まり、昨年7月、京都地裁に破産を申し立てた。全社員約50人が即時解雇されたが、27人が「会社側と交渉する手だてがなくなる」として会社に泊まり込みを開始。現在も24人が2人交代で泊まり込んでいる。 管財人は社屋を競売にかける手法も検討したが、より高い値段で購入を申し出た買い手が見つかった。一部の資産を売却した代金から、泊まり込みを続けた24人に対し、印刷機械のメンテナンスなどを続けていた対価を払うことにした。 社員側は今月