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ブックマーク / note.com/ciotan (3)

  • 「子ども、作らないの?」という問いへの長めの答え|塩谷舞(mai shiotani)

    「14個採卵しましたが、凍結に至った数は0です」 その言葉を聞いて、目頭がじわりと温かくなるのを感じた。ゼロ。つまり、あの引き裂かれるような痛みも、日々の忍耐も、次に進む成果には繋がらなかったらしい。ゼロの内訳についての説明は淡々と終わり、その先のお会計で42,820円と表示されたのでそれを支払い、「今月のトータルで高額療養費制度を使えるかな……」と思いながら病院を出た。 今年の夏は嘘みたいに暑い。先週ここに来たときは、採卵後の激痛で歩くこともままならずタクシーで帰ったけれど、この日は出来る限り日陰を探して駅まで歩いた。池袋の繁華街は、夏休みの家族連れで溢れている。「この子たち、ここまで細胞分裂繰り返したなんてすごいな」と考えながらぼんやり歩く。前回は車内で痛む身体を労りつつ、大きな痛みに耐えた自分への誇らしさと、「14個も採卵出来た!」という高揚感があったのだけど。 ── ここ1年弱、ず

    「子ども、作らないの?」という問いへの長めの答え|塩谷舞(mai shiotani)
  • 柳宗悦の辛辣な「お叱り」と、事なかれ主義トート|塩谷舞(mai shiotani)

    先日、国立近代美術館で絶賛開催中である『民藝の100年』に行ってきたのだけれども、書きたいことがありすぎたので忘れないうちに書いておきたい。 1988年10月生まれの自分にとって、民藝活動の中心人物であった1889年3月生まれの柳宗悦はちょうど100学年違い……という雲の彼方の存在なのに、彼らの蒐集品や活動記録を鑑賞するのはまるで今日買ってきた雑誌を読むくらいに身近で素敵。故に展覧会を鑑賞するというよりも、屋でずーーーっと雑誌の立ち読みをしているような感覚になって、結果4時間もへばり付いていた。 (再入場禁止ゆえ、途中トイレに出ることが許されないのが大問題。小洒落た来場者の多くは間違いなく、膀胱との闘いに挑んでおります!) あぁ、この燭台が欲しいな……とか、この李朝膳は私の欲しいやつと少し形が違うな……とか、今日の自分の暮らしとそれは地続きにあって、すごく楽しいし、使える。 で、使えるか

    柳宗悦の辛辣な「お叱り」と、事なかれ主義トート|塩谷舞(mai shiotani)
  • 「政治の話」じゃなくて「私の話」だったわ|塩谷舞(mai shiotani)|note

    こんばんは、塩谷舞です。 いつもこう名乗ってますが一応、塩谷は旧姓です。 さっき、TwitterのTLにふと流れてきたこのツイートをみて、めちゃくちゃ腑に落ちた。 "政治のこと"って考え方をさせる教育がそもそも微妙で、 今日君が払ったお金も、親が稼いだお金も、 使ってるバスも電車も、 行ってる学校も、数年後の子育ても、 来年辺り日戦争するのかどうかも、 生活に関わってる全ての事の話だよ。ただの日常の話さね。 — SKY-HI(AAA日高光啓) (@SkyHidaka) July 20, 2019 あぁ当に、生活のこと、日常のことなんだよなぁ、と。 ということで今日は、私の日常の話をします。 🐈 🌱 2年前の夏。結婚して苗字が変わった。 結婚するにあたって、「さて、どちらの苗字にしようかねぇ」という話し合いをした。世の中としては96%が男性側の姓にあわせるらしいので、それが「普通」

    「政治の話」じゃなくて「私の話」だったわ|塩谷舞(mai shiotani)|note
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