湯崎知事(手前右)と小池副市長(同左)の先導で原爆慰霊碑に向かうバッハ会長=同中央(16日午後1時30分、広島市中区の平和記念公園) 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長による広島市訪問を、広島県と市は、核兵器のない世界の実現に向けた強いメッセージを発信する場として要望してきた。両者は16日、歓迎姿勢を最後まで貫いたが、新型コロナウイルス禍での東京五輪開催と併せてバッハ会長の動向は批判的な世論にさらされ、訪問の意義はかすみがちだった。松井一実市長は「黒い雨」訴訟を巡る公務を優先し、訪問行事を欠席した。 広島県の湯崎英彦知事は平和記念公園(中区)でバッハ会長を迎えて原爆慰霊碑へ案内し、原爆資料館で対談した。見送り後には「核兵器への言及はなかったが、平和に関するコミット(約束)には当然、核兵器を使用しないのが含まれる。追悼されている人全てを思い出すべきだ、と言ったのは世界へのメッセージ