大阪市が30年以上前に打ち出した新美術館の建設計画が、新年度に始動することになった。吉村洋文市長が市議会に提案している建設に向けた予算案が、一部修正した上で29日の本会議で認められる見通しとなったためだ。2021年度に開館予定で、「お蔵入り」してきた名画など約4900点がようやく多くの市民の目に触れることになりそうだ。 名画など4900点 新美術館の建設構想は1983年、市制100周年記念事業の一環として発表され、市は建設用地として国から北区中之島の大阪大医学部跡地を約160億円で購入。市の財政難で着工できない状態が続いたが、平松邦夫市長時代の2010年に整備の計画がまとめられた。 ところが、翌11年就任の橋下徹市長は計画を白紙に戻すと表明。天王寺区の市立美術館と統合する案などを検討したものの、14年9月、中之島エリアを観光拠点化する新たな構想に沿って、当初の予定地に20年度までに新設する