正倉院宝物にある唐代(7~10世紀)の銅鏡と似たタイプを含む中国の銅鏡302点を、兵庫県内の収集家が県に寄贈する。琥珀(こはく)などで花文様を描いた唐代の「螺鈿宝相華紋八花鏡(らでんほうそうげもんはちかきょう)」など、精緻な細工で保存状態のよい銅鏡も20点以上ある。専門家は「日本の重文級のものもあり、今後の研究で詳細を明らかにしていく必要がある。中国美術を研究する上でも画期的だ」と評価している。 寄贈する銅鏡は収集家が約30年前から、美術商らを通じて購入。奈良文化財研究所の難波洋三・埋蔵文化財センター長が鑑定し、収集品は中国最古の王朝とされる夏(か)(紀元前18~16世紀)から、12世紀に滅亡した北宋の時代までに製作されたものという。 中国の銅鏡に詳しい岡村秀典・京都大教授(中国考古学)によると、この収集品は日本国内ではあまり知られていなかったが、収集を通じて知り合った中国の研究者の間では