ソウル新羅ホテルの日本食レストラン「有明」のイ・テヨン料理長は、「魚は肉よりはるかに熟成が難しい」と語る。「牛肉や豚肉は柔らかければ良いですが、魚は違います。しっかりとした歯ごたえと、噛み締めたときの味わいが重要です」 肉と同じく魚も熟成させるほど旨みが増す。魚を食べておいしいと思うのは、魚の身に含まれるグルタミン酸とイノシン酸を舌が感じ取るからだ。特にイノシン酸は旨みを増強させるという点で重要だ。イ料理長は「イノシン酸を十分に含んでいなければうまい刺身とは言えない」と説明した。 「有明」は日本でも最高レベルの寿司屋に数えられる「きよ田壽司」をベンチマーキングの対象とした。「きよ田壽司」は、サムスン・グループの李健煕(イ・ゴンヒ)会長行きつけの寿司屋でもある。当初は「きよ田壽司」と同様のやり方で魚を熟成させた。魚の重量や漁場、種類、季節などによって異なるが、「きよ田壽司」では魚を平均2