完工せず幻となった広浜(こうひん)鉄道の浜田市側ルート「今福線」に残る遺構の、観光資源としての活用法を探るシンポジウムが8日、浜田市の県立大浜田キャンパスで開かれた。 今福線(約16キロ)は、現在のJR山陰線・下府(しもこう)駅(浜田市下府町)と今福(同市金城町)の区間で計画された。1933年に着工され、トンネル12本やコンクリート製のアーチ橋などは完成したが、太平洋戦争で中断した。戦後約20年たち、浜田駅と今福を結ぶ新ルートで工事は再開されたが、国鉄の赤字増大で80年に再び中断した。 シンポジウムには、県内外から約200人が参加。鉄道史の研究や乗り歩きの著作がある鉄道ライター、森口誠之(まさゆき)さんが今福線の歴史を語り、廃線後の遺構を活用して集客につなげた先例を紹介した。その上で「地元の人々が、知識や記憶をもとに魅力を見つけることが活用のヒントになる」と指摘した。 さらに岡山県倉敷市・