広島市中区榎町の十日市交差点で異彩を放っていた昭和レトロなタワーが9月、惜しまれつつ姿を消す。広島電鉄の社員には「鳥の巣」の愛称で呼ばれ、住民にも交差点のシンボルとして親しまれてきた「操車塔」。係員は塔の上で、3方向から来る路面電車を見張り、手動でポイントを切り替えていた。設置から約70年が過ぎて、老朽化が進んだため解体されることになった。 【動画】愛称「鳥の巣」その理由は? 同交差点は繁華街に近く、自動車や路線バスなど多くの車両が往来する。路面電車の分岐点でもあり、JR広島駅と宮島口(廿日市市)、JR横川駅と江波(中区)を結ぶ路線など5系統が行き交う。操車塔は交差点の南西の角に立つ。高さ6・5メートル。植物の茎のように伸びる4本の柱の上に、缶詰状の円い小屋がでんと座る。落雷で機器を点検する際などを除き、普段は無人でカーテンが閉め切られ、塔の正体を知らない住民も多い。 広電によると、正式名