100円の収入を得るために2万5416円の費用がかかる――。JR西日本が11日公表したローカル路線の収支は、人口減少が進む地方の現実を改めて突きつけた。芸備線の東城(広島県)―備後落合(同)間は費用に対する収入がわずか0・4%だった。JR西は沿線自治体と今後の在り方を協議する方針だが、存続を求める地元の声は強く、行く先は見通せない。 「廃線を前提に議論する考えはない。ゼロベースで最適な交通体系を地域と話し合っていきたい」。記者会見に臨んだJR西の飯田稔督(としまさ)地域共生部次長は、「廃線」の可能性を質問される度に否定した。一方で、「このままの形で100%、JR西の負担でやっていくのは難しい」とも述べ、バスなど代替の交通手段についても議論していきたいとの考えを示した。公表された2017~19年度の収支の平均は全30区間で赤字…