三菱ケミカルグループは、2020年の田辺三菱製薬の完全子会社化によりふくらんだネットD/Eレシオ(負債資本倍率)を21年度に期初の1・7超から期末に1・40へ改善した。ポートフォリオ見直しの一環で結晶質アルミナ繊維事業の売却を行い、財務体質の改善が進んだ。 化学業界は設備投資規模が大きく、柔軟に資金調達を行うため、DEレシオの目安を0・8以下など堅めに置く企業が多い。同社は引き続き有利子負債の返済を優先事項とし、22年度に1・29、25年度に1未満とする。 最高財務責任者(CFO)の中平優子執行役エグゼクティブバイスプレジデント(EVP)は「DEレシオ悪化は一過性で、改善は正しい方向に進んでいる。課題は収益性や投下資本の効率性にある」と話す。今後のDEレシオ改善も収益向上が基本策となる。 汎用品から高機能品まで幅広く扱う総合化学各社の21年度のコア営業利益率(ROS)は、三菱ケミカルグルー