だれしも死ぬときはあまり苦しまず、人生に満足を感じながら、安らかな心持ちで最期を迎えたいと思っているのではないでしょうか。 私は医師として、多くの患者さんの最期に接する中で、人工呼吸器や透析器で無理やり生かされ、チューブだらけになって、あちこちから出血しながら、悲惨な最期を迎えた人を、少なからず見ました。 望ましい最期を迎える人と、好ましくない亡くなり方をする人のちがいは、どこにあるのでしょう。 *本記事は、久坂部羊『人はどう死ぬのか』(講談社現代新書)を抜粋、編集したものです。 人気の死因、一位はがん 死ぬのは仕方ないとして、ではどんな死に方がいいのか。 富士氏のように知らないうちに死ぬのがベストかもしれませんが、自殺以外に自分の死に方はなかなか選べません。 以前、いくつかの週刊誌が、ブームのように死に方の人気ランキングを載せたことがありました。答えを求められたのは、いずれも死のプロとも
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