参院選の選挙中、駅前で道行く人に手を振る河村建一氏。足を止める人は少なかった=3日午後、東京都多摩市(撮影・井崎圭) 参院選折り返しの7月初めの休日。東京都多摩市、カップルや家族連れが行き交う京王多摩センター駅前で、真っ黒に日焼けした候補者の男性が大きく手を振っていた。この地に全く縁はなく、足を止める通行人はいない。男性は構わずマイクを握り、語り出す。「国に対する思いと私に対する期待を込めて、私の名前を書いてください。どうか、よろしくお願いします」 【写真】参院選の結果を新聞で確認する河村建一氏 名は、河村建一氏(46)という。 全国比例に立候補した自民党公認候補。自民大勝の陰で、涙をのむ結末を見た。全国比例は、業界団体の組織内候補や、タレント、スポーツ選手など知名度のある候補が圧倒的に優位とされるが、この男性はいずれにも当てはまらない。選挙後、自民のベテラン国会議員は唇をかみしめた。「国