蚊は人にかゆみをもたらすだけでなく、人から人へ病原体を運ぶ厄介な存在だ。「世界で最も人を殺す生物」とされる蚊から身を守るため、吸血行動を抑制するための研究が進められている。新たな発想で作られた虫よけは、蚊に「嫌な記憶」を植え付けるという。 「やる気」をそぐ 蚊は、長い脚を使って人に気づかれないよう衝撃を吸収し、肌の表面に降り立つと、体勢を整えて吸血を始める。そんな巧みな技を持った蚊が「肌に止まれないようにする」という発想で作られたのが、日用品大手「花王」の虫よけだ。 蚊の体や脚は水をはじく性質がある。だから水に浮いたり、雨の日に飛んだりすることができるし、ぬれる感覚を嫌う。花王の研究チームはその特性を生かすことにした。 化粧品にも含まれる低粘度のシリコーンオイルを肌に塗ると、そこに止まろうとした蚊の脚がぬれ、引き込まれる感覚になる。蚊はその感覚を嫌って、すぐに飛び立ってしまう。そこで同社は
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