(化け物のボスらしき男がやってくる) (囲炉裏の灰が吹き上がる) (灰が丸い頭のようになって、両角にコブが出来る) (壁にトンボのように突き出た目と口が現れる) ※この挿絵はどちらを描いているか不明確。 (平太郎の嫌いなミミズが這い出て来る) 新日本古典籍総合データベース ※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0) ※画像は拡大できます。 【原文】 晦日《つごもり》ハ色/\怪敷《あやしき》事有りけるが、先ず、此の夜の始めには五つ時頃、人品骨柄《じんぴんこつがら》宜敷《よろしき》四十ばかり男、浅黄《あさぎ》の上下《かみしも》に二刀《にとう》違《たが》へに差し、「許し給はれ」と案内して、裏の方ゟ入り来たりぬ。 平太郎ハ見しより、 「是なん、兼ねて思ひ設けたる化け物ゝ長《おさ》なるべし。一刀に打ち止めん」 と立ちまち刀を抜き、横