――福田首相の辞任表明をどう受け止めましたか。 わが国の政治史を振り返ると、リーダーの突然の交代は、政治の末期的症候群の一つとして、ある時期には頻繁に起きていました。 たとえば、江戸時代には5〜6人の老中による集団指導体制が敷かれていましたが、幕末期の平均在任期間はせいぜい1年半しかなかった。江戸時代初期は10年、20年やっていましたが、ペリーの来航後、極端に短くなった。満州事変が起きたのは1931年。ここから太平洋戦争終戦の45年までの首相の平均在任期間はわずか10カ月程度。幕末期や終戦前という難局のときほど、政権が短命なのです。小泉政権の5年半を除けば、最近も1年強。福田首相の在任期間も実は平均的です。 ――世界を見渡すと、異常に見えますが……。 原因は人材不足でしょう。時代が閉塞状況になる中で、人材が極端に薄くなっている。一方、時代の末期ですから課題は深くて大きい。つまり反比例