最大震度6弱を観測した大阪北部地震から18日で1年となった。被災した賃貸住宅では、家主が修繕に応じなかったり、取り壊しを理由に入居者に退去を迫ったりするケースが相次いでいる。地震から1年を経ても行くあてがなく、壊れた住宅に住み続ける人も。相談に乗る弁護士は「弱い立場の人に今も影響が深刻に表れている」と訴える。 大阪府茨木市内の住宅密集地にある木造2階建ての賃貸住宅。被災した壁の亀裂にモルタルを塗った跡がある。家主が修繕を拒んだため、入居する70代の夫婦が自ら応急措置をしたのだ。 地震から1カ月後の昨年7月、家主に修繕を求めたところ、数日後、「取り壊すので年内に退去してほしい」と言われた。しかし「年金暮らしの年寄りが新居を借りるのは簡単でない」と妻(71)は話す。「家賃の手ごろな府営住宅なら」と、抽選に応募したが、落選した。今春、家主から「9月末までに退去しないと訴訟も辞さない」との通告がき