戦争をどう終わらせるつもりだったのか 今から79年前の1941年12月、大日本帝国はアメリカやイギリスと勝ち目のない戦争を始めた。 「勝ち目がないって、今だからそんなことを言えるんだろ」と、いう人がいるかもしれない。しかし当時も、軍人を含む少なからぬ為政者たちが、アメリカを屈服させることが不可能であることは分かっていた。 では、為政者たちはなぜ戦争を始めたのか。そしてどうやって戦争を終わらせるつもりだったのか。 今回は開戦までの経緯と、戦争終結構想をみていこう。戦争を終わらせるのは戦争を始めるよりはるかに難しいこと、国は、というより為政者たちは時にとんでもない間違いをするということが分かるはずだ。 1930年代から40年代初頭にかけて、中国や南方への進出を進める日本に対し、アメリカは態度を硬化させていった。 決定的だったのが1941年7月の南部仏印進駐だ。アメリカは在米日本資産を凍結し、極