ジャパン・オブザーバーからの指摘 今週前半、ワシントンから来訪された米調査・分析会社OBSERVATORY VIEWグループの齋藤ジン氏と長時間、昼食を交えて話し合った。実に有為な懇談だった。 金融アナリストの齋藤氏は1980年代後半から彼の地で米国の視点で日本の経済・金融・政治をウォッチしてきた秀逸の「ジャパン・オブザーバー」でもある。 同氏開口一番の指摘は次のようなものだった。「中国の影響力拡大の中でデカップリング(分断)であれ、デリスキング(リスク回避)にしても現在のバイデン政権は対中政策で手一杯です。このタイミングはまさに岸田外交にとって絶好のチャンスです。国際社会における米国の存在感の低下を補完することが求められている。外交だけではありません。ウクライナ戦争後の復興プロジェクトにも象徴されるように、この間の経済低迷によって日本が「失われた30年」を取り戻すためのチャンスでもありま