「優生保護法」という法律をご存じですか? 「不良な子孫の出生を防ぐ」という目的で、障害者の子どもを産み育てる権利を奪っていた法律です。終戦直後の昭和23年に施行され、わずか20年ほど前の平成8年まで存在していました。 この法律に基づいて遺伝性とされた疾患のほか、精神障害や知的障害がある人は、医師の診断と行政の審査を経て不妊手術を受けさせられました。その際、本人の同意は必要ないとされました。 これによって不妊手術を受けさせられた人は、確認できただけでも1万6000人以上に上っています。 最近、この法律が注目される出来事がありました。 ことし2月22日、日弁連=日本弁護士連合会が、優生保護法で行われた不妊手術はみずからの意思で出産や子育てを決めるという憲法で保障された権利を侵害していたと指摘し、国に対して謝罪や補償などを求める初めての意見書を出したのです。 「人権を無視した法律が本当にあったの