2003年5月25日は、今のところ卓球界にとって特別な日として歴史に刻まれている。 この年、この日に生まれた世界卓球選手権大会男子シングルスのチャンピオンを最後に、男子の世界王者は中国選手によって独占されることになるのだ。 20年前のこの日、パリ12区、ベルシーの会場を熱狂の渦に巻き込んだその男の名はヴェルナー・シュラガー。卓球強豪国とは言い難いオーストリアに生まれ、オリジナリティーあふれるプレースタイルを確立した男は、30歳にして世界の頂点へと登り詰めた。 このインタビューでは、異端児シュラガーの来歴に改めてスポットライトを当て、その異端児の眼を通して現代卓球を見つめることで、卓球というスポーツがどこへ向かおうとしているのかを探っていきたい。 初回は、シュラガーの卓球選手としてのキャリアの前半を中心に焦点を当てて話を聞いた。 家族全員で地元の卓球クラブに入った それが私の卓球人生の始まり