本連載前回記事で、仮想通貨は「通貨の3要素」を満たしていないことなどについて述べたが、現物の紙幣や硬貨がなく匿名性が高いために、テロ組織への資金供与やマネーロンダリングなどに悪用されている現実もある。 最近では、「ダッシュ」「ジーキャッシュ」「モネロ」などのように、誰が誰に送金したのかを第三者が知ることのできない「匿名性暗号通貨」も登場しており、プライバシー保護が強化される半面、取引の追跡が難しくなることで「犯罪をより助長するのではないか」という懸念も生まれている。 また、仮想通貨が不正利用される背景には、ハードウェアウォレット(秘密鍵をメモリなどに保存するウォレット<財布>)の存在もある。仮想通貨にアクセスするための秘密鍵が保存されているハードウェアウォレットを使えば、「この中に100ビットコイン(1ビットコイン=73万円換算で7300万円)が入っているから現金を用意してくれ」というふう